ひとと調和する未来型エレクトロニクスの創世を目指し、カーボンナノチューブに代表されるナノ構造材料の特徴を生かして、透明で自在に形の変わるフレキシブル電子デバイスの実現に取り組んでいます。人体の軟組織と力学的にも生化学的にも親和性のあるバイオセンサや機能集積回路などのウェアラブルデバイスを実現し、エレクトロニクスとバイオ・医療との融合を進め、ひとが健康で幸せに生きる明るい社会の構築に貢献します。

What's New

受賞: M1の武藤君が第66回フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウムにおいて若手奨励賞を受賞しました。(2024.03.26)
受賞: M1の中野君が電気系専攻修士論文中間発表会において優秀発表賞を受賞しました。(2024.02.29)
論文:ウェアラブルデバイスへの実装を目指した柔軟な摩擦帯電型エネルギーハーベスタの総説が繊維機会学会誌に掲載されました。(2023.09.25)
論文:CNT電気化学センサを用いたリザバーコンピューティングの論文がCarbon (IF=10.9)に掲載されました。(2023.08.23)
学会:NT23にて松永助教と内山助教が発表し、大野教授が招待講演しました。(2023.06.18)
学会:243rd ECS Meetingにて大野教授が招待講演しました。(2023.05.31)
学会:第70回応用物理学会春季学術講演会(@ 上智大学)にて松永助教, 新宮(M2), 堀(M1), 王(M1), 中野(B4)の5名が発表しました。(2023.03.18)
学会:FNTG64(@ 名古屋大学)にて堀(M1), 王(M1), 中野(B4)の3名が発表しました。(2023.03.03)
学位:Tan Fu Wen君に博士(工学)の学位が授与されました。(2022.05.18)
人事:内山晴貴先生(助教)が着任されました。(2022.05.01)
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Topics

 

CNT電気化学センサーを用いて機械学習を実現 〜ウェアラブルIoTのエッジ処理に期待〜

新宮君の研究成果がCarbon (IF = 10.9) に出版されました。カーボンナノチューブ (CNT) 電気化学センサーを用いて機械学習の一種であるリザバーコンピューティングを実現したものです。CNT電気化学センサは優れた柔軟性をもち、ウェアラブルIoTデバイスへの応用が期待されています。IoTデバイスではセンシングした信号から有意なデータを抽出するエッジ処理を行い、データ通信量を低減することが重要です。今回の成果は、CNT電気化学センサー自身でリザバーコンピューティングと呼ばれる機械学習を実現するとともに、CNT表面を官能基修飾することにより機械学習性能の向上を実現しました。さらにI型糖尿病患者の血糖値の変動の予測も実証しています。この成果はウェアラブルIoTデバイスにおける超低消費電力エッジ処理技術の実現つながるものです。(2023.08.23)

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CNT1本の極微小アンテナで高品質通信を実現 〜IoTデバイスの小型化に期待〜

カーボンナノチューブアンテナに関する研究成果がACS Appl. Nano Mater. に出版されました。豊田中央研究所との共同研究により、カーボンナノチューブ1本の機械振動を利用して電波を受信するアンテナを実現し、エラー訂正などの情報処理技術を組み合わせることにより、カラー画像などのデジタル信号を高品質に伝送することに成功しました。極微小のIoTデバイスの実現につながる技術です。この成果について、プレスリリースを行いました。(2021.12.02)

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一滴のしずくから5ボルトを発電 〜原子層材料を用いて実現〜

アジ研究員の研究成果がNano Energy (Impact Factor = 15.548) に出版されました。原子層材料であるMoS2を用いて、一滴のしずくから5ボルトもの電圧を発電するエネルギーハーベスタを実現しました。MoS2の表面を水滴が滑り落ちるときに発電するものであり、例えば、雨水や工場排水の水質モニタリングなどを行う自己給電型のIoTデバイスへの応用が期待されます。この成果について、プレスリリースを行いました。(2019.12.16)

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人間の動作から発電する伸縮可能なシート 〜ウェアラブルデバイスの電源〜

松永助教の研究成果がNano Energy(Impact Factor = 15.548)に掲載されました。カーボンナノチューブ薄膜を用いて透明で伸縮性のあるの摩擦帯電型のエネルギーハーベスタを実現しました。人間の動作による摩擦から発電するものであり、ウェアラブルIoTデバイスの電源としての応用が期待されます。この成果について、プレスリリースを行いました。(2019.11.21)

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量子センサで電子デバイスの動作解析 〜多様なデバイスに適応可能〜

博士2年生の内山君の研究成果がアメリカ化学会の論文誌ACS Omegaに掲載されました。ナノダイヤモンド中のNVセンターを用いて、動作中の電子デバイスにおける電流分布や温度分布を同時に計測する手法を提案したものです。ナノダイヤモンド薄膜は溶液法で容易に形成でき、様々な電子デバイスに適応可能な手法です。(2019.4.24)

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ワンステップでCNT薄膜の微細パターンを形成 〜高性能フレキシブル透明導電膜の実現へ〜

10μm以下の解像度でカーボンナノチューブ(CNT)薄膜の微細パターンを簡単に形成する技術を開発しました。これを用いて、微細グリッドをもつ高性能透明導電膜や静電容量式タッチセンサの簡易製造も実証しました。タッチパネル等の低コスト・省資源・省エネルギー製造につながります。この成果はACS Nano (IF=12.1)に掲載されました。

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世界初の全カーボン集積回路 〜加熱成形可能な電子デバイスの実現へ〜

カーボンナノチューブのみでトランジスタや配線を構成した“全カーボン集積回路”を世界で初めて実現しました。1,000 cm2/Vsを超える移動度が得られ、高性能で透明なフレキシブルデバイスへの応用が期待されます。さらに、実現した全カーボン集積回路は任意の立体形状に加熱成形することも可能です。本研究の成果は、プラスチック製品への電子デバイスの融合を可能とし、デザイン性と機能性を併せ持つプラスチック電子デバイスの創出に繋がります。この成果はNature Communicationsに掲載されました。

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世界初!透明プラスチック基板上にカーボンナノチューブ集積回路 〜透明・フレキシブルデバイスの実現へ

透明で柔軟なプラスチック基板上にカーボンナノチューブ集積回路を簡単かつ高速に実現する技術を開発しました。作製したナノチューブ薄膜トランジスタは高い移動度(634 cm2/Vs)とオン/オフ比(6x106)を同時に実現しています。この技術を用いて、世界で初めてカーボンナノチューブを用いた同期型順序回路の動作に成功しました。この成果はNature Nanotechnology (Impact Factor = 30.3)に掲載されました。

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Project

  • New科研費・挑戦的研究(開拓)に採択
    科学研究費補助金・挑戦的研究(開拓)に採択されました。カーボンナノチューブを用いた神経伝達物質の超高感度・選択的検出を実現するセンサー技術の創出を目指します。

    New科研費・基盤(A)に採択
    科学研究費補助金・基盤(A)に採択されました。カーボンナノチューブを用いたフレキシブルセンサ・回路・システムの基盤技術の創出を目指します。

    JST/CRESTに採択
    科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業CRESTに採択されました。エネルギーハーベスティングのための超薄膜材料を用いた電解液流体発電技術の創出を目指します。

    NEDO「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」に採択
    新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成27年度「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」に採択されました。カーボンナノチューブに基くハイエンド向け3次元集積デバイスの研究開発をを行います。

大野研究室
名古屋大学 未来材料・システム研究所
未来エレクトロニクス集積研究センター
〒464-8601 名古屋市千種区不老町
(052) 789-5455