新宮君の研究成果がCarbon (IF = 10.9) に出版されました。カーボンナノチューブ (CNT) 電気化学センサーを用いて機械学習の一種であるリザバーコンピューティングを実現したものです。CNT電気化学センサは優れた柔軟性をもち、ウェアラブルIoTデバイスへの応用が期待されています。IoTデバイスではセンシングした信号から有意なデータを抽出するエッジ処理を行い、データ通信量を低減することが重要です。今回の成果は、CNT電気化学センサー自身でリザバーコンピューティングと呼ばれる機械学習を実現するとともに、CNT表面を官能基修飾することにより機械学習性能の向上を実現しました。さらにI型糖尿病患者の血糖値の変動の予測も実証しています。この成果はウェアラブルIoTデバイスにおける超低消費電力エッジ処理技術の実現つながるものです。(2023.08.23)
カーボンナノチューブアンテナに関する研究成果がACS Appl. Nano Mater. に出版されました。豊田中央研究所との共同研究により、カーボンナノチューブ1本の機械振動を利用して電波を受信するアンテナを実現し、エラー訂正などの情報処理技術を組み合わせることにより、カラー画像などのデジタル信号を高品質に伝送することに成功しました。極微小のIoTデバイスの実現につながる技術です。この成果について、プレスリリースを行いました。(2021.12.02)
アジ研究員の研究成果がNano Energy (Impact Factor = 15.548) に出版されました。原子層材料であるMoS2を用いて、一滴のしずくから5ボルトもの電圧を発電するエネルギーハーベスタを実現しました。MoS2の表面を水滴が滑り落ちるときに発電するものであり、例えば、雨水や工場排水の水質モニタリングなどを行う自己給電型のIoTデバイスへの応用が期待されます。この成果について、プレスリリースを行いました。(2019.12.16)
松永助教の研究成果がNano Energy(Impact Factor = 15.548)に掲載されました。カーボンナノチューブ薄膜を用いて透明で伸縮性のあるの摩擦帯電型のエネルギーハーベスタを実現しました。人間の動作による摩擦から発電するものであり、ウェアラブルIoTデバイスの電源としての応用が期待されます。この成果について、プレスリリースを行いました。(2019.11.21)
博士2年生の内山君の研究成果がアメリカ化学会の論文誌ACS Omegaに掲載されました。ナノダイヤモンド中のNVセンターを用いて、動作中の電子デバイスにおける電流分布や温度分布を同時に計測する手法を提案したものです。ナノダイヤモンド薄膜は溶液法で容易に形成でき、様々な電子デバイスに適応可能な手法です。(2019.4.24)
10μm以下の解像度でカーボンナノチューブ(CNT)薄膜の微細パターンを簡単に形成する技術を開発しました。これを用いて、微細グリッドをもつ高性能透明導電膜や静電容量式タッチセンサの簡易製造も実証しました。タッチパネル等の低コスト・省資源・省エネルギー製造につながります。この成果はACS Nano (IF=12.1)に掲載されました。
カーボンナノチューブのみでトランジスタや配線を構成した“全カーボン集積回路”を世界で初めて実現しました。1,000 cm2/Vsを超える移動度が得られ、高性能で透明なフレキシブルデバイスへの応用が期待されます。さらに、実現した全カーボン集積回路は任意の立体形状に加熱成形することも可能です。本研究の成果は、プラスチック製品への電子デバイスの融合を可能とし、デザイン性と機能性を併せ持つプラスチック電子デバイスの創出に繋がります。この成果はNature Communicationsに掲載されました。
透明で柔軟なプラスチック基板上にカーボンナノチューブ集積回路を簡単かつ高速に実現する技術を開発しました。作製したナノチューブ薄膜トランジスタは高い移動度(634 cm2/Vs)とオン/オフ比(6x106)を同時に実現しています。この技術を用いて、世界で初めてカーボンナノチューブを用いた同期型順序回路の動作に成功しました。この成果はNature Nanotechnology (Impact Factor = 30.3)に掲載されました。